「インドにおける新型コロナウイルスの現状とホメオパシー医学の状況」Dr. ラジ・クマー・マンチャンダ/インド
講演開始にあたり、インドへ敬意を表しインドの風景と共にインド国歌が流れました。
デリー連邦直轄地政府マンチャンダAYUSH長官におかれましては、新型コロナウイルス対策でお忙しい中、由井寅子JPHMA会長との長年の友好の元、このコングレスのためだけにご講演くださいました。
伝統医学を統括するAYUSH省のマンチャンダ長官は、新型コロナウイルスでは81%が軽度の症状であるにもかかわらず、残りの19%が深刻または重篤な状態になるとのこと、その差は免疫力であると明言され、老若男女が安全に使用できるホメオパシーは免疫力が向上させる実績があるものだとおっしゃいました。
インドでは高度なホメオパシー教育が整備され、また日夜研究・研鑽がなされているとのことで、この度の新型コロナウイルスにおいてもホメオパシーでできる様々な重要なガイドラインをAYUSH省のサイトで公開してくださっているとのことです。
また、新型コロナウイルス対策として、ホメオパシーによるセルフケアで免疫を高めることの重要性が勧告され、様々なホメオパシーのレメディーが使用されている中でもArs.Bry.Gels.Phos.Puls.が最も使用頻度が高い事がインド国内の各病院、研究機関との連携により判明しているそうです。インドでは自分の症状に合うレメディーをチェックするだけで選べるアプリも開発されているそうです。それがあれば誰もがレメディーを選ぶのに助かりますね。
最後に、ノーベル文学賞受賞のラビンドラナート・タゴールの言葉が紹介されました。「ホメオパシーは合理的な哲学を持つ科学だ。」間違いなくホメオパシーはこのコロナ禍の時代とも調和できる科学です。
マンチャンダ長官、本当にありがとうございました。
目次
資料
「インドにおけるホメオパシー医学の状況と新型コロナウイルス感染症対策について」Dr.ラジ・クマー・マンチャンダ (デリー連邦直轄地政府 AYUSH長官)
インド政府 Research in Homoeopathy 2017(日本語字幕版)
発表者
ホメオパシーは多くのエビデンスを有する科学的で有効な伝統医学であるとする立場をとるインド政府AYUSH省(注1)のホメオパシーリサーチ部門(CCRH(注2))長官を務めた(2012年~2019年)。
ホメオパシーについては35年以上の教授歴があり、過去には、7年10ヶ月にわたって、健康・家族・福祉省のニューデリーISM & H(インド医学体系とホメオパシー)のプロジェクトで、ホメオパシー部門の長として副長官を務めるなど、政府ホメオパシー関連の要職を経験する。
ホメオパシー中央委員会会員、デリーホメオパシー研究委員会書記官、CCRHの特別他団体研究評価委員会、ホメオパシーデータベース委員会、母と子キャンペーン、流行病コントロール、薬物プルービング等 多様な委員会の専門会員を務める。
国内外のカンファレンスや科学ジャーナルでの発表や論文も多く、インド政府編纂の「ホメオパシー科学 -穏やかな治療法-」(2017年:日本語版をJPHMAと共同出版)の発行にも携わった。
インド政府が推進する世界のホメオパシーの規制・基準づくりの国際シンポジウムを主催するなど、ホメオパシー普及への貢献は国際社会においても高く評価されている。過去3回来日しJPHMAコングレスで記念の学術発表を行っている。
注1:AYUSHはインドの伝統医学の通称。アーユルヴェーダ、ヨガ、ユナーニ、シッダ、ホメオパシーなどインドの伝統医学のアルファベットの頭文字から命名され、これに現在では食事・栄養療法などの自然療法も含まれる。2014年に現ナレンドラ・モディ政権下で、AYUSHは健康・家族・福祉省(現代西洋医学を管轄)と並ぶ省に昇格した。
注2:CCRHは、デリーの本部・ケララのホメオパシー中央研究所・タルミ・ナドのホメオパシー薬用植物研究センターにて、JPHMA代表団を歓迎し、ジョイントセミナーを開催し、インドと日本のホメオパシー交流を行っている。