「インド政府の推進する最新のホメオパシー・リサーチとその成果」Dr.R.K.マンチャンダ

世界最大のホメオパシー大国であるインドでは2014年に現モディ首相内閣により、現代西洋医学の管轄する保健家族省と別に、ホメオパシーやアーユルヴェーダなどの伝統医学を専門とするAYUSH(伝統医学)省が設立され、ホメオパシーなど伝統医学を含めた統合医療を政府が積極推進しています。そのAYUSH省にはホメオパシーの科学的エビデンスのリサーチを担当しているホメオパシーリサーチ中央評議会(CCRH)があり、そのトップであるマンチャンダCCRH長官が第19回JPHMAコングレスのために、インド政府を代表し特別に来日してくださり、来賓講演として、インドにおける国家主導のホメオパシーに関する調査、研究、国際協力の概要を発表。

インドにおいてホメオパシーは、現代医学と同等の教育システムがあること、多岐に渡る調査・研究・臨床が国レベルで行われていること、様々な急性疾患・慢性疾患・難病にホメオパシーが効果的だとそれらの臨床研究・調査から判明したことが報告され、世界各国の国立大学や研究機関と協定を結びホメオパシーをサポートしているという報告もありました。

2018年世界ホメオパシーデイの際には、ベンカイア・ナイドゥインド共和国副大統領が「健康は裕福に勝る。副作用も欠陥もないホメオパシーは全ての家庭療法であるべき。」と明言され、同時に、ホメオパスに対しては、「倫理・規範にのっとって、仕事ではなく使命として、手抜きせず人々の健康に帰依するように。」と鼓舞されたとのこと。

マンチャンダ長官は最後に、「我々は自分の健康のために選択の自由を与えられるべきであり、様々な療法の共存が基本的人権として受け入れられ促進していくような社会にしていかなくてはならない」と力強くおっしゃいました。

インドの現状の報告は、この日本社会においてもホメオパシーや他の自然療法が現代医学と共存共栄している未来が必ず訪れるはずと実感させていただける希望のある報告でした。マンチャンダ長官、ありがとうございました。

発表者

Dr. ラジ・クマー・マンチャンダのアバター Dr. ラジ・クマー・マンチャンダ インド人ホメオパス、デリー連邦直轄領政府AYUSH 長官

ホメオパシーは多くのエビデンスを有する科学的で有効な伝統医学であるとする立場をとるインド政府AYUSH省(注1)のホメオパシーリサーチ部門(CCRH(注2))長官を務めた(2012年~2019年)。

ホメオパシーについては35年以上の教授歴があり、過去には、7年10ヶ月にわたって、健康・家族・福祉省のニューデリーISM & H(インド医学体系とホメオパシー)のプロジェクトで、ホメオパシー部門の長として副長官を務めるなど、政府ホメオパシー関連の要職を経験する。
ホメオパシー中央委員会会員、デリーホメオパシー研究委員会書記官、CCRHの特別他団体研究評価委員会、ホメオパシーデータベース委員会、母と子キャンペーン、流行病コントロール、薬物プルービング等 多様な委員会の専門会員を務める。

国内外のカンファレンスや科学ジャーナルでの発表や論文も多く、インド政府編纂の「ホメオパシー科学 -穏やかな治療法-」(2017年:日本語版をJPHMAと共同出版)の発行にも携わった。
インド政府が推進する世界のホメオパシーの規制・基準づくりの国際シンポジウムを主催するなど、ホメオパシー普及への貢献は国際社会においても高く評価されている。過去3回来日しJPHMAコングレスで記念の学術発表を行っている。

注1:AYUSHはインドの伝統医学の通称。アーユルヴェーダ、ヨガ、ユナーニ、シッダ、ホメオパシーなどインドの伝統医学のアルファベットの頭文字から命名され、これに現在では食事・栄養療法などの自然療法も含まれる。2014年に現ナレンドラ・モディ政権下で、AYUSHは健康・家族・福祉省(現代西洋医学を管轄)と並ぶ省に昇格した。

注2:CCRHは、デリーの本部・ケララのホメオパシー中央研究所・タルミ・ナドのホメオパシー薬用植物研究センターにて、JPHMA代表団を歓迎し、ジョイントセミナーを開催し、インドと日本のホメオパシー交流を行っている。

シェアして、ぜひ広めてください!
  • URLをコピーしました!
目次