自然医学としてのホメオパシー | Dr. ラジ・クマー・マンチャンダ(インド人ホメオパス・デリー連邦直轄領政府AYUSH 長官) | 大会レポート | 第25回

目次

講演について

インド、デリー連邦直轄領政府AYUSH マンチャンダ長官により、自然医学としてのホメオパシーについて、歴史的背景、世界的ホメオパシーの状況、インドのホメオパシーの状況、今後の方向性についてを講演くださいました。

インド独自の医療システム

インドには、独自の医療システムがあり、健康増進や病気の予防・治療を目的とした複数の医学体系が提供されている。人々は自分達の信念、価値観、経験経験、経済的状況などに応じて、様々な医療サービスを取り入れ利用している。これにはホメオパシーも含まれる。ホメオパシーの目に見える成果として、風邪、咳、中耳炎などの感染症の治療に役立ち、抗生物質の使用を確実に減らすことに役立ち、複合疾患の増加を伴う高齢者達にもホメオパシーは助けとなった。インドでは高度なホメオパシー教育が整備されている。ホメオパシーの多面的な研究と成果についても述べられました。発覚したデータと経験に基づき標準的な治療ガイドラインを開発、現在ホメオパシーの調剤方法などホメオパシーの様々な側面の標準化に焦点を当てている。インドではホメオパシーが全体的に制度化され、市場におけるレメディーの高品質を確実にしており、適切な標準規格があるとのこと。最後に、2018年世界ホメオパシーデーでの、ヴェンカイア・ナイドゥ、インド副大統領の講演を共有頂きました。

発表者

Dr. ラジ・クマー・マンチャンダのアバター Dr. ラジ・クマー・マンチャンダ インド人ホメオパス、デリー連邦直轄領政府AYUSH 長官

ホメオパシーは多くのエビデンスを有する科学的で有効な伝統医学であるとする立場をとるインド政府AYUSH省(注1)のホメオパシーリサーチ部門(CCRH(注2))長官を務めた(2012年~2019年)。

ホメオパシーについては35年以上の教授歴があり、過去には、7年10ヶ月にわたって、健康・家族・福祉省のニューデリーISM & H(インド医学体系とホメオパシー)のプロジェクトで、ホメオパシー部門の長として副長官を務めるなど、政府ホメオパシー関連の要職を経験する。
ホメオパシー中央委員会会員、デリーホメオパシー研究委員会書記官、CCRHの特別他団体研究評価委員会、ホメオパシーデータベース委員会、母と子キャンペーン、流行病コントロール、薬物プルービング等 多様な委員会の専門会員を務める。

国内外のカンファレンスや科学ジャーナルでの発表や論文も多く、インド政府編纂の「ホメオパシー科学 -穏やかな治療法-」(2017年:日本語版をJPHMAと共同出版)の発行にも携わった。
インド政府が推進する世界のホメオパシーの規制・基準づくりの国際シンポジウムを主催するなど、ホメオパシー普及への貢献は国際社会においても高く評価されている。過去3回来日しJPHMAコングレスで記念の学術発表を行っている。

注1:AYUSHはインドの伝統医学の通称。アーユルヴェーダ、ヨガ、ユナーニ、シッダ、ホメオパシーなどインドの伝統医学のアルファベットの頭文字から命名され、これに現在では食事・栄養療法などの自然療法も含まれる。2014年に現ナレンドラ・モディ政権下で、AYUSHは健康・家族・福祉省(現代西洋医学を管轄)と並ぶ省に昇格した。

注2:CCRHは、デリーの本部・ケララのホメオパシー中央研究所・タルミ・ナドのホメオパシー薬用植物研究センターにて、JPHMA代表団を歓迎し、ジョイントセミナーを開催し、インドと日本のホメオパシー交流を行っている。

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