60代の女性。夫を5年ほど前に交通事故で亡くした。以来鬱状態を経て、やる気、体力が出なくなる。燃え尽きた感情が常にあり、後悔しているのに涙が出ない。
後悔というのは、夫が交通事故に遭った時に別の男性に片思いしていたということと、夫が万一寝たきりになったりしたら厄介だと一瞬でも心によぎったことからで、悲しみと共に深い罪悪感を感じている。
付随する症状としては左耳に耳鳴り、外耳の痒みがある。また、死に対する恐怖が強くなっている。相談会では死別の悲しみ、罪悪感、疲労感、死への恐怖、身体的症状などを考慮してレメディーを処方。それと共に過去から現在までの自身の精神面を振り返り客観的に見つめなおすことをレメディーと相談会を通じて行った。
このケースの場合は特にPhos-ac.が強く作用し、一時的な高熱、疲労感などを経て、3回の相談の後、4ヶ月後には精神面が大きく改善し、身体面でも体力が回復し、遠方に旅行に出かけられるまでになった。
このようにパートナーと死別した方のケースは私自身何度か経験している。カウンセリングやグリーフワークなどの活動が欧米に比べ立ち遅れている日本において、ホメオパシーがこの分野において貢献できる面は大きいと感じている。