発表演題のポイント
近代医学が発達し、社会保障制度が充実した今日、自然界から植物を採取してそれを利用する人はほとんどいなくなってしまった。現在でも植物を修治(加工)した生薬は、漢方薬や一般用医薬品でも盛んに用いられている。その生薬は、法制度のもと規定された技術により製造され、専門的な知識を持った人たちにより処方される。いま、民間において薬草を採取してそれを使うことが困難な状況下では、昔の人たちが薬草を利用してきた知恵を受け継ぐことが必要である。
薬草を病気の治療に用いるといった消極的な使い方ではなく、「健康増進のために用いること、野菜として食べること」がこれからの代替医療の大きな位置付けになっていくのではないだろうか。古人は夏の野菜は体を冷やし、冬の野菜は体を温めるということを知っていた。これは医学的知識の周知ともいえるのではないだろうか。野菜にも薬効があるのだから、薬草とされる植物には未知の効果があるだろう。