
CHhomにても連続講座に登場している小名木氏が古事記をもとに、農業について話されました。
1つ1つの小さい伝承を調べてまとめたものが古事記で、そこには祖先から受け継いだ物語がいっぱい詰まっています。
古事記には、「神語(かむがたり)」の様々な物語が書かれており、その中で初代天皇である神武天皇が九州宮崎から大和の政(まつりごと)を目的に東に進む話があります。刃向う敵を倒しながら大群で進んでいくという間違った解釈をされていますが、古事記では福岡に2年、広島に7年、岡山に8年と長い年月をかけて進んでいることが書かれています。
なぜそんなに遅かったのか?各地で農業を指導する人として、現地の食糧生産をあげる活動をしていたそうです。土地をどうやって切り拓くのか、どうやって作物をつくるのか、どうやって作ったものを美味しく食べるのか。そのような活動で、現地の方に慕われる存在となり、民に幸せを分け与えていたのです。
「政(まつりごと)」という字の本来の意味は、正しいことをするために、手を加え、普及させて浸透させることだそうです。
為政者と民衆はお互いを尊重して、民衆は為政者に感謝していた歴史があります。古事記を通して、もっと日本人の素晴らしさを伝え、日本人の誇りを取り戻したい。そのような小名木氏の心からの思いが参加者に伝えられました。