大会レポート
「「耐へ難きを耐へ、忍び難きを忍び――」
終戦の時期になると、私たちが耳にする『終戦の詔勅』の一節です。けれども、この14文字だけで詔勅全体を知ったつもりになってはいないでしょうか。
国史について長年研究してきた小名木善行氏が、今回取り上げるのは、昭和天皇が読み上げた『終戦の詔勅』そのものです。全813字の全文を改めて読み直し、一つひとつの言葉に込められた意味をたどっていきます。
「新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ頻リニ無辜ヲ殺傷シ」という言葉や、「万世ノ為ニ太平ヲ開カム」という結びを手がかりに、戦争を終えるという決断だけでなく、その先の日本や世界をどのように考えていたのかを読み解きます。
さらに、「億兆の赤子(せきし)」や「おほみたから」という言葉にも目を向けます。戦争によって大きな苦しみを抱えた人々をどのように見つめていたのか。「五内為ニ裂ク」という表現に込められた思いをたどりながら、日本古来の「シラス」という考え方や、人と人との関係について考えていきます。
小名木氏が語るのは、歴史の知識を覚えることだけではありません。知識を「何のために、どう使うのか」まで考えてこそ、それが智慧になる。そして、考え方が違っていても互いを認めながら関係を築いていく「あいだ(Relation)」という視点にも話は広がります。
『終戦の詔勅』を、単なる戦争終結の言葉としてではなく、その先の未来へ何を残そうとした言葉なのかという視点から読み直す。歴史を入り口に、人とのつながりや、次の世代へ何を渡していくのかまで考えていく講演です。

