大会レポート
月経不順や不妊という同じ婦人科の悩みでも、その背景や経過は一人ひとり異なります。今回、道繁良大会長が取り上げるのは、姉妹それぞれの相談を通して、病名だけでは見えてこない「その人全体」をどのように捉えていくのかを追った二つの症例です。
妹は24歳。4年半にわたるピルの服用をやめた後、月経が2~3か月に一度しか来なくなりました。相談では月経の状態だけを見るのではなく、これまでの経過や体質、14歳のときに経験した父親の自死、そして「人に好かれたい」という本人の思いにも目を向けていきます。症状を一つずつ拾いながらレメディーを選択し、その後、月経が再開していくまでの経過が紹介されます。
そこからつながったのが、28歳の姉の相談でした。多嚢胞性卵巣症候群と卵管閉塞があり、手術を受けたものの、人工授精では結果が出ない状態が続いていました。「30歳までに子どもが欲しい」という強い思いを抱える中、妹のケースと共通する部分にも目を向けながら、別の角度から症状を読み解いていきます。
一度の相談で大きな変化が見られなかった後、卵管の状態や卵巣に関する症状を改めて整理し、本人が抱えていた「子どもを持たなければ」という思いについても丁寧に向き合います。そして、その後に自然妊娠に至った経過が紹介されます。
二つの症例を通して見えてくるのは、病名や検査結果だけではなく、これまでの人生や感情、本人が何を望んでいるのかまで含めて一人の人を見ていくという考え方です。
月経や妊娠をめぐる身体の変化を、どのように読み取り、どのような視点で相談を重ねていくのか。姉妹の症例から、その臨床プロセスを具体的にたどります。


